3か月ほど前に、5年以上腰痛で苦しむ患者さん(52歳女性)が来院されました。

今回で21回目です。

腰痛は47歳から合計10回ギックリ腰を起こしたそうです。

ひざ痛は発症後わずか一日だという事でした。

及川治療院では初診時にまずモーションペインを検査します。

この患者さんは腰を痛めているために前屈はやっと両膝に触れるという状態でした。 下肢の痛みやしびれはありません。

次に伏臥位と側臥位の脊椎の検査を兼ねた緩和操作を行いました。 その後に上肢や下肢の筋肉の緩和操作と関節の弾力の検査を兼ねた調整を行いました。

この患者さんは関節の弾力は全く正常でした。 関節の柔軟性(関節可動域)はとても良く、平均の10パーセント増しでした。

ところが下肢後面の筋肉である座骨下腿筋(ハムストリングス)の拘縮がひどく、ひざを伸ばした状態では本来90度以上上がる関節の柔軟性がありながら、なんと70度程度しか上がりませんでした。

股関節の屈曲が120度以上あるのに対して、膝をの場ひた状態での股関節の屈曲は70度以下という通常あり得ないギャップがある方でした。

上肢下肢の関節の操作の後に端座位で脊椎の検査と調整を行いました。

次に側臥位で脊柱と仙腸関節の調整を行いました。

最後に腰仙関節の調整を行いました。その理由は、ハムストリングスの拘縮が重症であるにもかかわらず、腰仙関節の機能不全が認められたからです。

すべての調整とリハビリテーションが終了した後に、毎日行うべき体操を丁寧に指導しました。

結論を言うとこの患者さんは全身の関節可動域は比較的に正常に近いものの、膝を曲げなければ前屈して下に落ちたものを拾う事ができない状態でした。

この状態を根本改善するためには、他動運動(手技療法)と自動運動(拘縮を改善することを目的としたリハビリテーション)を毎日最低2回行い最短で3か月程度の期間がかかることを噛んで含めるようにご説明しました。

1分でできる2種類のリハビリ運動と、2分半でできるベンチスクワットとストレッチを毎日行うように指導しました。

この患者さんのハムストリングスの拘縮は3歳までに起きた転倒によるものと推察できます。

なぜなら、前屈して床にタッチするテスト(前屈指床距離が小学生の時からマイナスであったそうです)ができた記憶がないという患者さんの言葉から判断できるのです。

この患者さんが症状を訴える腰やひざの関節のレントゲン検査をしても痛みの原因をあぶりだすことは到底できません。

少なくとも初診時に30分程度の時間をかけて丁寧な問診と関節可動域の検査をする必要があるのです。

本日検査してみるとFFD(前屈して床にタッチできるかの検査)は初めてゼロに改善されました。

もちろん腰痛やひざ痛が改善したのは言うまでもありません。

さらに努力を継続してげんこつがつく、あるいは手のひらがつく状態を維持することが重要なのを改めてご説明しました。

腰痛やひざ痛が重症化する前に、原因を突き止め改善することの重要性を改めて再認識した次第です。

賢明な皆様はいかがお思いになったでしょうか?