腰痛、背中の痛み、首の痛み、四肢の関節(肩、ひじ、手、股、膝、足の関節)の痛みを総称して関節の痛みといいます。

関節の痛みを予防改善するベストな方法は、関節の弾力の保守点検を定期的に受け重症化を未然に防ぐことです。

このように書くと痛くもないのにケアーを受けることはどうなの?と思われるかもしれません。

しかしながら平均寿命が江戸時代の3倍まで生きる方も珍しくない現代において、健康で長生きすることを願うなら全身の関節を覆う膜の弾力の検査と調整が必要となるのです。

定期的に保守点検(メンテナンス)を受けることで、関節の痛みが回復不能になる状態を回避できるのです。

関節の痛みを放置すると、はじめはは軟骨の不具合から始まりやがて関節の変形が起こるのです。

残念なら軟骨は痛みを感じない組織であるために、少しづつ悪くなったとしても自覚することはできません。

したがって痛みの段階で、できるだけ早く適切なケアーを受けることが何よりも大切なのです。

関節の痛みは、重症化すると人工関節置換術を受けることになります。

言い換えると関節が硬すぎても、関節が緩すぎても新しい人工関節に交換することになるのです。

開業して41年目を迎えた関節ニュートラル整体・及川治療院では40年以上経過した患者さんのケアーを数えきれないほど経験してまいりました。

そのような経験から言えることは、痛みに敏感な方ほど重症化するケースが少ないという事実です。

重要な事ですのでもう一度繰り返します。

関節を覆う膜の中でも痛みを感じる組織と痛みを感じない組織があるのです。

たとえば骨膜は痛みを感じますが、骨自体は痛みを感じない組織なのです。

したがっていつの間にか骨折にみられるように、骨粗しょう症は進行して骨折などの大惨事になるまで気づかないのが普通なのです。

ゆでガエルのたとえ話をご存じでしょうか?

カエルを熱湯の中に入れると当然ながら飛び出して命が救われます。

ところが水の中に入れて少しづつ温めると、カエルが変化に気づかづ死んでしまうというたとえ話です。

痛みを感じない組織は少しづつ悪化していることに気づかづ、発見されたときは手遅れになってしますのです。

いつの間にか修理不能になってしまう関節の痛みと非常に似ている状態で悪化する病気のうち、最も身近な症例が認知症です。

アミロイドベータという物質が少しづつ脳内にたまるタイプ(アルツハイマー型)と海馬が委縮すするたいタイプがあります。

どちらも脳の打撃、過度の飲酒、青魚をとる、カレー(クルクミン)をとるなどの習慣で予防はできます。

しかしながら、いったん重症化するとそこから改善できるほどの効果がある治療法は現時点ではありません。

医師が最もなりたくない病気の筆頭とされる認知症に至っても、予防することがベストな治療なのです。

変形性関節症に至っても同じような予防改善がベストな選択といえるでしょう。

へバーデン結節をご存じでしょうか?

手の指の第一関節の変形のことです。

イギリスの医師であるウイリアムへバーデンが学会に発表したのが1602年。

江戸時代の始まりが1603年ですのでかなり昔のことです。

男女の差はありません。

40代では40パーセント。

50代では50パーセント。

60代では60パーセントという具合に関節の変形が確認されています。

男女差はないのですが、関節の痛みを訴える方は女性が男性の何と10倍なのです。

痛みの段階で整形外科(手関節の専門医)やリュウマチ膠原病科を受診したとしても、残念ながらその分野の病気が見つからない限り、特別な治療を受けることはありません。

やがて少しづつ指の第一関節の変形が始まり、痛みに悩まされることになります。

数年すると変形の進行が止まります。

そして骨の中を通る神経が細くなることで痛みが緩和されるのです。

3か月以上経過しても改善しない関節の痛みは血行が悪いと考えられてきました。

3か月以上経過しても改善しない腰痛を研究していたオックスフォード大学のエスパボデーという医師がおりました。

彼は超音波のカラードップラー効果という検査で、痛みがある部位の血流は正常な部位と比較すると何と1・5倍であることを証明しました。

そして痛みがある部位には正常な血管と比較すると、なんとなく美しくない状態の血管があることから「もやもや血管」と名付け国際的な学会に発表しました。

今から10ほど前のことです。

その研究成果を学んだ慶応大学の医師が「奥野裕次」先生です。

奥野先生はがん患者のカテーテル治療で腫瘍の血流を止めてガンの成長を止める治療をしていたそうです。

もちろん目的は腫瘍を縮小させることですが、副次的に体の痛みが大幅に軽減する患者さんを数多く診察したそうです。

そのような経験の後にエスパボデー先生の論文に触れ、さらに慶応大学の大学院で学びなおし遂に世界初のもやもや血管の手術を考案しました。

ご興味のある方は「痛みの改善クリニック」の動画をご覧ください。

現在では大学病院を含め10か所のクリニックでカテーテル手術を行っています。

残念ながら現時点ではこの治療は保険適用にはなっておりません。

しかしながら奥野先生はベストドクターに選出されているために、日本だけではなく外国からも先生の治療を受けるために大勢の患者さんがクリニックをおとづれています。

異常な血管であるもやもや血管は主に40代以降に出やすいのです。

30代やそれ以下の年齢でできる方は、がんやリュウマチ膠原病などの基礎疾患がある方が圧倒的に多いのです。

もやもや血管は古くなった水道管が経年劣化のために漏れる状態に非常に似ています。

奥野先生が考案した手術はざっくり言うと、1時間だけ元栓を止めるようなものです。

当たり前ですが、水道管は元栓を止めても再生しません。

しかしながら人間の血管は、わずかな損傷は修復されていしまうのです。

回復までに最短で3か月、最長で2年かかる症例で最も知られている病気にいわゆる五十肩(頚肩腕症候群)があります。

例外的に、2年以上経過しても関節可動域が正常に回復しないケースがあります。

このようなケースは立て付けが悪いだけなので、私が考案した関節ニュートラル整体で確実に改善できます。

病気の種類で改善にかかる時間は異なります。

病気の回復に必要な時間が経過しても改改善しない関節の痛みは、関節を覆う膜の引っ掛かり(拘縮)ですので最短の時間で確実に改善するのです。

1,1週間で改善する筋膜炎(いわゆるギックリ腰や寝違えななど)

2,4週間で改善する肉に穴が開いた程度のケガである軽い肉離れ

3、回復までに3か月を要する、筋肉の断裂、椎間板ヘルニア、脊椎分離すべり症、、脊柱管狭窄症などの上肢や下肢に痛みやしびれを伴った上昇なケース

このように病気や損傷の種類を間違えて診断されない限り、病気は時間の経過で改善します。

それに対して時間が経過しても改善しないのが、関節被膜の不具合つまり関節の弾力の欠如なのです。

自動運動の段階に痛みがあれば、当然ながら自覚できます。

しかしながら自動運動を超えた動きは負荷テストを行わない限り、自覚できる人間はいないのです。

関節の痛みが回復不能と思われた方のうち95パーセントは十分に改善可能なケースなのです。

関節の痛みは関節に負荷をかけるテストを受けることで重症化を防ぐことができます。

過剰な医療を受けることも不必要なことは確かですが、痛みを放置して改善できるのは、最大でも45歳までです。

90歳まで生涯現役を希望するならば、保守点検(メンテナンス)を受けることが必要不可欠なのです。。