腰痛やひざ痛の根本原因は下肢後面の筋肉(ハムストリングス=座骨下腿筋)の拘縮です。
したがってこの筋肉の拘縮を改善することで腰痛やひざ痛に代表される下肢のトラブルを未然に防ぐことができます。
具体的にどのようなメカニズムで腰痛やひざ痛が起きるのかを解説してみます。
腰椎の前屈後屈の動きはそれぞれ45度。
左右側屈の可動域はそれぞれ20度。
左右回旋の可動域はそれぞれ5度。
それに対し股関節の前後開脚は屈曲が120度、伸展が15度。
股関節の横開脚は合計で90度、内転がそれぞれ30度です。
股関節の内外旋はそれぞれ45度です。
もう少しわかり易く比較してみましょう。
腰椎の前屈後屈の合計が90度であるのに対し、股関節の屈曲伸展の合計は135度。
腰椎の左右側屈の合計が40度に対し、股関節の外転内転の合計は100度。
腰椎の左右回旋の合計が10度に対し、股関節の外旋内旋の合計は90度。
つまり腰椎を支える骨盤の関節(仙腸関節、腰仙関節、恥骨結合)の下にある股関節の可動域は腰椎と比較するとかなり大きいのがわかりますね。
変形性関節炎は、国際統計によると45歳未満ではわずか2パーセント。
ところがそれ以上になると、なんと15倍の30パーセントに跳ね上がるのです。
ちなみに60代は63パーセント、80歳は83パーセントになるのです。
変形性膝関節症は女性が男性の3倍。
このことから45歳からの急激な増加は、閉経が関係しているものと推測されます。
したがって何よりも大切なことは、関節の痛みの原因を知ることです。
それは次の要素。
1、運動
2、姿勢
3、体重
4、感染
5、仕事
6、休養
この要素が適切でないケースは変形性関節症が早まると考えられています。
具体的には、運動していないのに25歳から体重が増加してしまうと、炎症体質になるので、できれば適正体重に近づくように努力しましょう。
必ずだれでも関節は変形すると考えて、可動域が適正な範囲であるように予防するべきなのです。
そのためには国語で考えないで、数字で考えることがたいせつです。
トップアスリートの体脂肪率は女性が12パーセント、男性が10パーセントです。
あまり厳格に考えないで、体脂肪率がトップアスリートの数字の2倍以内なら健康な値と考えましょう。
ちなみに変形性関節症を引き起こす病気は次のパターンです。
1、外傷
2、炎症
3、悪性腫瘍
4、奇形
5、先天性異常
この要素はいづれも関節可動域が減少すると考えましょう。
したがって自覚症状が飽きる前に、前もって関節可動域(自動運動+たわみ運動+遊び運動の合計です)をチェックするべきです。
関節ニュートラル整体・及川治療院では全身にある約206個の骨から構成される約200個の関節の保守点検(検査と調整)を行っています。
車の点検整備が大切であるように、関節の保守点検も大切なのです。
私がこれまで腰痛やひざ痛で苦しむ患者さんの可動域の検査をした経験から、可動域が10パーセントマイナスを超えると股関節やひざ関節だけではなく、腰の関節(腰椎椎間関節)に不具合を生じることが確認されています。
それはちょうど就寝時の歯ぎしりが酷い方がマウスピースをしないで放置すると歯がすり減ってしまう現象に酷似しています。
したがって大、関節可動域を10パーセント増に保つ事です。
それは私が考案した4パターンのエクササイズを習慣化することで重症化を予防できるのです。
ゆでガエルのたとえ話にあるように、急激な変化(カエルを熱湯に入れる)は対応できますが、カエルを水に入れた状態から温めると手遅れになって死んでしまうのです。
同じように時間をかけて骨にストレスをかけると、いつの間にか重症化して、気付いた時には人工関節置換術以外の選択肢はなくなるのです。
私の経験では骨の変形が起こる遥か前に、下肢後面の筋肉の拘縮が起きているのです。
これから重症化を予防するために必要不可欠な知識をご紹介させていただきます。
あなたは、開脚、閉脚、胡坐の状態で前屈して頭をつけることができますか?
さらに正座の状態からお尻を落としあおむけになることができますか?
この4種類のストレッチは真向法として周知されています。
残念ながら筋肉や腱が短く下肢後面の筋肉が拘縮している方は、ストレッチがほとんど効果がありません。
しかし拘縮した筋肉を収縮して弛緩する、いわゆる動的ストレッチは十分な効果が得られるのです。
必要以上の強い力で後ろから押してもらうのは危険です。
一キロ以内程度の負荷でしかも動かす範囲はわずか5センチ以内で充分なのです。
胡坐、長座、開脚の状態で軽く反って曲げる運動を25回繰り返しましょう。
「曲がらないから反って曲げる、反って曲げるを5センチ以内の可動域で繰り返すのです」繰り返しになりますがあくまでも低負荷高回数が最適です。
その後に前屈をしてみるとほんの少しですが前屈がやりやすくなっているのがわかります。
この運動を3か月繰り返しましょう。
背骨を曲げないで運動を繰り返すことです。
あくまでも固いのは下肢の筋肉や腱なので出来る限り背中を伸ばした状態で行うのがベストなのです。最後に背中を曲げて80パーセントの負荷でストレッチを行いましょう。
あくまでも全体を伸ばすのではなく、拘縮した下肢の筋肉と腱にフォーカスしましょう。
詳しくは私が11年前に投降した、「腰痛肩こりケア体操のユーチューブ動画」をご覧ください。
前述したように前屈して頭がつく方は柔軟性が優れた方といえます。
そのレベルを目指して前屈して両肘がつく可動域が維持できれば十分なのです。
下肢後面の筋肉が拘縮している方は胸がつく方の半分できれば十分なのでご安心ください。
正座してあおむけになれない方は大腿四頭筋の拘縮があるか、大腰筋の拘縮がある方です。
人生が90年として45歳以上になると柔軟性や筋力に陰りが見え始めるのです。
もう少し詳しく言うと柔軟性や体力は30歳までが全盛期。
そこから60歳までが後退期。
60歳から90歳までは衰退期といえるでしょう。
もちろん体力の限界は、20歳が80パーセント、50歳も80パーセントですから、鍛えてる50代に20代が負けることもあるのです。
とはいえ、ご自身の能力の限界まで高めていない方が大半ですので、何歳でも十分に改善することはできるのです。
注意していただきたいことは、拘縮した下肢後面の筋肉の長さは遺伝的に決まっているという事です。
努力すればだれでも前後開脚や横開脚が180度以上できるわけではないのです。
平均レベルの方は前後開脚が150度、横開脚が100度回復までにすることは十分に可能です。
これだけの下肢の柔軟性があれば、短距離走や長距離走の能力を十分に発揮できるレベルになるのです。
さらに膝関節や腰椎が過剰に動きすぎることからくる、腰痛やひざ痛も予防することができるのです。
私はこの方法を今から11年前にユーチューブ動画に投降しました。
また4冊の本(講談社、ベースボールマガジン社)にまとめていますので是非ご覧ください。
この運動を「腰痛肩こりケア体操」となずけ多くの方に指導してまいりました。
全部で58パターンありますが、マスターすると15分程度でできる内容です。
コツを覚えてしまえば、大変に効果がありますので、近日中に新しい動画を投稿する予定です。
その中で最も大切な3種類の事前エクササイズ(1分でできます)と椅子から立ち上がるいわゆるベンチスクワットは、万人向きといえるでしょう。
患者さんにテストしてみた結果、4種類だと習慣化する率がとても高いのです。
私はこの運動ができる健康器具を考案し特許を取得しました。
もちろんこの器具がなくても、自体重の負荷でも十分に効果がありますのでご安心ください。
筋トレは高重量で行っても、低重量で行っても筋力の増加においてほとんど差はありません。
言い換えると最大筋力の70パーセントであれば15回反復できます。
50パーセントであれば25回反復できます。
つまり自重で行うスクワットが15回できる方はインターバルを1分以内で最低3セット行うのが効果的です。
無理なセット数を伸ばし5セットできる様になれば、今度は25回を5セットを目指しましょう。
筋肉や腱などの軟部組織が入れ替わるのが3か月。
したがってひと月目は15回3セット(45回)。
2か月目は15回5セット(75回)
3か月目は25回5セット(125回)を目指しましょう。
もし毎日継続できなくなったら回数を落とし、そこから少しづつ回数を伸ばすようにしましょう。
全身の筋肉のうちの70パーセントは下半身にあります。
したがって苦手な腕立て伏せやほとんどの方が10回もできない懸垂をやめてスクワットを継続することをす勧めします。
腰痛やひざ痛の根本原因は、下肢後面の筋肉の拘縮にあります。
合わせてアキレス腱が十分に伸びない方の関節可動域を改善するエクササイズも効果的です。
筋肉や腱の拘縮の改善目的であれば、低負荷高回数の後の最弱のストレッチが効果的です。
可動域は筋肉が拘縮している手前の5センチ以内でとどめましょう。
繰り返しになりますが、筋肉や腱はほとんど伸びない組織なのです。
御餅や輪ゴムを伸ばすように伸ばすと筋肉は断裂しますのでご注意ください。
したがって拘縮が酷いと思われる関節は少なくとも5秒×3回の収縮を繰り返し最後に80パーセント程度の弱めのストレッチを行うことで十分なのです。
柔軟性を回復するためには、軟部組織が入れ替わる3か月の期間を要する事は避けられないのです。
くれぐれも無理なストレッチを避け、筋トレストレッチを継続することが大切なのです。





