腰痛、背中の痛み、首の痛みを総称してバックペイン(背中の痛み)と呼びます。
手足の関節(肩、ひじ、手、股、ひざ 、足関節)の痛みを総称してジョイントペイン(関節の痛み)と呼びます。
この中で最も多いのが腰椎椎間関節や仙腸関節の痛みであるいわゆる腰痛です。
今回は腰痛について書いてみます。
腰痛の中で最も多いのが下部腰椎の痛みや仙腸関節の痛み(骨盤の中にある左右それぞれ2個、合計4個の関節です)ではないでしょうか。
仙腸関節の痛みは下肢痛を伴わないのですが、腰椎椎間関節由来の痛みは重症化(腰椎椎間板ヘルニアや腰椎分離すべり症、腰部脊柱管狭窄症など)するとなど)下肢の痛み、しびれ、麻痺の順番で悪化します。
したがって何よりも大切なことは、腰痛が重症化する前に最悪なケースを想定し脊椎の手術の専門医の診断を受けることです。
そこで手術の必要がないといわれたケースで、時間が経過しても一向に症状が改善しないケースの大半は及川治療院のケアーで完治または改善します。
その理由は長引く関節の痛み(腰痛)の原因の95パーセントは、関節の弾力の異常だからです。
大切なことは、症状が腰痛のみであっても必ず全身の関節の弾力の検査を受け適切なケアーをするということです。
具体的にその理由を述べます。
例えば股関節が十分に伸展できない(正常な方は120度以上の屈曲に対し、15度以上の股関節の伸展ができます)ケースでも症状がひざの痛みであったり、腰痛を訴えるのです。
その理由は、股関節の運動を腰椎が代償するために、正常な腰椎の屈曲(45度)に対し伸展(45度)が過剰に動きすぎてしまい腰痛になるケースが多いのです。
これは股関節の伸展障害(屈曲拘縮とも言います)という状態ですが、患者さんは最初に腰痛を訴え、股関節の炎症が末期になって初めて股関節の痛みを自覚するケースです。
ごくまれに股関節の屈曲障害(股関節が120度以上屈曲できないため、曲げても胸につかないケース)もありますが、これは先天奇形が大半です。
また、腰痛の原因が腰椎ではなくアキレスけんの拘縮というケースも珍しくありません。
これはハイヒールを履くことを強いられる女性に多いのです。
このタイプの女性は、つま先立ちは50度以上できるのですが、つま先上げが20度以上できないために腰椎がそりすぎてしまい腰痛になるのです。
このように腰痛の大半は、腰椎がそりすぎることによって起きているのです。
したがって根本的に予防改善するためには、全身の関節の弾力の検査と調整が必要なのです。
この様なケース以外にも、腰痛の原因がいわゆる五十肩にあるケースも珍しくありません。
五十肩は回復までに最低でも3か月、長いケースでは2年を要するとてもひどい症状です。
その中でも凍結肩(フローズンショルダー)といって、腕が上がらなくなったり、後ろに回らなくなったりするケースはその動きを全身のほかの関節で代償するために、結果として腰痛になるのです。
運動は自分で動かす範囲(自動運動)と体重をかけると初めて動く範囲(たわみと遊び運動)の3段階があります。
したがってこのすべての範囲の検査と調整が必要になるのです。
自分で動く範囲はいたくはないのに、腰痛を自覚するケースは、体重をかけて背中を押してもらうと弾力の異常があるのです。
具体的には、開脚、胡坐、長座で前屈して胸がつく方は、全体の1パーセント、頭がつく方は20パーセントなのです。
したがって頭をつくのを目指して両肘がつくようであれば、下肢の関節や筋肉の柔軟性は平均以上なのです。
このストレッチに加え正座の状態からお尻を落として仰向けになることができるかを調べましょう。
年齢が45歳未満の大半は、十分にできるはずです。
しかしながらこのストレッチは背中までつくのに、前屈のストレッチは胸をつけないまでも頭すらつけないのではないでしょうか?
私自身自分が考案した腰痛肩こりケア体操を毎日行って柔軟性を維持していますが、残念ながら胸がつくのは開脚だけです。
このように腰痛の原因は最初は下肢の筋肉の柔軟性にあるのです。
したがって予防改善するためには、せめて開脚や胡坐、長座で前屈して両肘がつく程度の柔軟性を獲得したいものです。
十分に前屈ができて、適切な範囲で後屈もできて初めて腰痛を予防できるのです。
繰り返しになりますが、特に女性に多いケースなのですが、和式トイレに座るようなストレッチだけが十分でないケースがあるのです。
すでに述べたようにこれはアキレス腱の拘縮ですので、ストレッチは無効です。
アキレス腱は階段のヘリを利用してかかとを下げてあげる運動を15回以上繰り返し最後に10秒間のストレッチをすることで徐々に弾力が回復するのです。
私が考案した関節ニュートラル整体は手技療法とリハビリテーションが一体となった技術です。
症状がどこの部位の関節であっても、全身の関節の弾力の検査と調整が必要である理由がお分かりいただけたでしょう。