9割のひざ関節の痛みは改善できます。
その理由は、9割の患者さんはひざ関節自体がダメになっているわけではないからです。
ダメになっているという状態は、人工関節置換術を受ける以外に、ひざ関節の痛みを改善する選択肢がないということを意味します。
老人性変形性ひざ関節炎(膝関節症)と診断されたとしても、必ずしもひざ関節の機能が末期状態であるとは限りません。
大多数の患者さんは、いわゆる立て付けが悪い状態なのです。
木製のドアが開きずらくなったり、閉まりずらくなった経験はないでしょうか?
そんな時大工さんに来てもらい、ドアがこすれて当たっている部分をかんなで削ってもらうと動きがスムーズになります。
主に体を後屈する動作がやりづらくなる脊柱管狭窄症や、前屈する動作がしずらくなる椎間板ヘルニアという病気があります。
これまでは大手術をする以外に方法がありませんでしたが、現在では内視鏡によるよりダメージが少ない手術が可能になりました。
靭帯や軟骨が石灰化して脊髄を圧迫している状態を、ほんの少し組織を削ることで改善できるようになったのです。
やがて変形性膝関節炎や変形性股関節炎においても、このように当たっている箇所をほんの少し削ることで症状や可動域の改善が可能になることでしょう。
私が考案した関節ニュートラル整体は痛みがある関節だけではなく、必ず全身の関節の検査と調整をするのがルールです。
その理由は、全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在し、複雑に影響しているからにほかなりません。
炎症の5大兆候という定義があります。 それは、
1、発熱。
2、発赤。
3、腫脹。
4、疼痛。
5、機能障害。です。
その中でひざ関節の痛みを訴える患者さんの大半は、4、の疼痛。と5の機能障害(動きが十分でない状態)です。
医学では関節可動域が正常な状態の10パーセントマイナスであれば正常と定義されています。
ところがそれ以上になると予防改善の努力を怠ると、いつの間にか半分以下の可動域になるので注意が必要です。
大相撲の力士で仕切り前の蹲踞ができない人はいません。
力士は大多数が40前です。
ところが現在の超高齢化社会において65歳以上は28パーセントになりました。
75歳以上が8人に1人になりました。
したがって正座ができない方も珍しくないのです。
大切なことは症状が膝の痛みだとしても、下肢の痛みの90パーセントは腰椎椎間関節の不具合が原因であると言う現実を知ることです。
また股関節の動きを代償してひざ関節の痛みが出ることも珍しくはないのです。
このような理由で、及川治療院では症状がある関節だけではなく全身の関節の可動域と弾力のテックをすることをルールにしているのです。