腰痛のパターンは次の3種類に大別されます。
1、仙腸関節炎(4個の関節)
2、腰仙関節炎(2個の関節)
3、脊椎椎間関節炎(48個の関節)
全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。
健康で痛みと無縁な関節には、8方向に1ミリズレて復元する免震構造システムに勝るとも劣らない機能があります。
私が考案した関節ニュートラル整体は、世界初の全身の関節の弾力の保守点検システムです。
残念ながら一度変形してしまった関節は、人工関節置換術という手術で交換しない限り形を取り戻すことはできません。
したがって最善の方法は、関節が変形する前の段階で関節の弾力の保守点検をすることです。
関節を覆う膜を大別すると次の2種類に分類できます。
1、靭帯や軟骨、などの非収縮性組織
2、筋肉や腱などの収縮性組織
2の組織を軟部組織とも言います。
軟部組織が新しく入れ替わるのが3か月。
それに対し骨が入れ替わるのは2年です。
したがって捻挫や骨折や脱臼などで、軟部組織を損傷すると、最短でも3か月の治癒期間がかかるのです。
一般的には40歳以上で、成人病があるケースでは、回復するまでに2倍の6か月もかかるケースもあるので要注意です。
関節の弾力の検査は、自動運動(筋肉の検査)と他動運動(靭帯の検査)の2種類が不可欠です。
腰仙関節の前後の動きのテストをゲンズレンテストといいます。
ゲンズレンテストで曲げた仙腸関節を急に話すことで痛みが生じた場合は腰仙関節炎を疑います。
また股関節を90度曲げた状態で、曲げた側に痛みがあれば腰仙関節炎を疑い、反対側に痛みがあれば椎間板ヘルニアを疑います。
このテストに加え片足をひざを伸ばした状態で60度以上上がるか否かを検査します。
左右差があって、痛みを感じたポイントから少し下げて足首を背屈することで強い痛みがあれば、座骨神経痛を疑います。
痛みがないケースは、ハムストリングスの拘縮を疑います。
次に両足をひざを伸ばした状態で上げられるかを検査します。
片足は上がるのに両足が上がらないケースは、いわゆるギックリ腰(腰仙関節炎)を疑います。
当たり前のことですが、けがは時間で治ります。
1,1週間で治る筋膜炎
2,4週間で治る坐骨神経痛や肉離れ
3,12週間で治る椎間板ヘルニアや脊椎分離すべり症、脊柱管狭窄症
前述したように回復までに最大で2倍の期間を要するケースは、成人病(糖尿病や高脂血症など)の改善が必要です。
もう一度繰り返します。
95パーセントの腰痛は改善が可能な単純性関節炎です。
単純性関節炎を大別すると、仙腸関節炎、腰仙関節炎、脊椎椎間関節炎に分類されるのです。
もちろんこれらの関節炎が複雑化しているケースも珍しくはありません。
私が開業している茨城県は霞ケ浦があります。
そこに生息している外来魚にアメリカナマズという棘がある厄介な魚がいます。
この棘のせいで魚を捕る網が痛むばかりでで大変でした。
ところがこの魚を魚粉という養殖魚の飼料として国が買い取り資金を出すようになって、漁師の収入源になったのでどんどん駆除が進んでいるようです。
3か月以上回復しない関節の痛みは、このように網がこんがらがってしまった状態なのです。
したがってセラピストと患者さんが気持ちを合わせて根気よく関節被膜を元に戻す作業が大切なのです。
余談ですが整形外科などで、初診時に要する時間は平均で7分だそうです。
最低でもその4倍の時間を割かない限り、誤診率が7割以下とはならないでしょう。
患者さんを自分の家族と考えて、厳しさに加えやさしさを持って誠心誠意診察と治療をしない限り世界に通用する大谷選手のように3割以上の打率を維持することは不可能なのです。