いわゆる五十肩の95パーセントは改善します。

現在痛みで苦しんでいる方のために、いわゆる五十肩について書いてみます。

いわゆる五十肩と呼ばれる症状は、正式には頚肩腕症候群といいます。

この病名は、首の痛み、肩関節の痛み、上肢の痛みといった症状を表した名称です。

肩関節の痛みを訴え、肩の専門医がいる病院を受診する患者さんのうち約半数はMRI検査で、腱板断裂が確認されます。

また肩関節にある軟骨が石灰化しているケースも珍しくありません。

この病気は石灰沈着性肩関節周囲炎と診断されるのですが、突然発症し車の運転ができないレベルの症状がでます。

それに対しいわゆる五十肩の症状は、ひと月単位で症状が悪化し可動域が減少し痛みがピークに達してから改善に向かうのです。

全体の80パーセントが半年痛くて1年で完治するパターンに当てはまります。

1年を超えるケースは重症例です。

骨が入れ替わるのが2年ですので、最もひどい方は、1年痛くて2年で完治するのです。

最も軽いケースは1か月半痛くて3か月で完治するケースです。

その理由は、筋肉や腱などの軟部組織が入れ替わるのが3か月だだからです。

炎症の5大兆候という言葉をご存じでしょうか?

1、発熱

2、発赤

3、腫脹

4、疼痛

5、機能障害

このうちいわゆる五十肩の症状は、4、の疼痛と5、の機能障害(関節の動きに制限がある状態)です。

残念ながら消炎鎮痛剤を使用しても、症状はほとんど変わりません。

しかしながらある一定の期間が経過すると確実に改善に向かうのです。

この現象は大規模森林火災の消火活動によく似ています。

自衛隊の飛行機やヘリコプターなどが出動して空から消火剤をまいたとしても簡単に消火することができません。

回復までに平均で1年もかかる経験はできれば避けたいものです。

しかしながら大多数の方は合計で4回ほどこのような経験をします。

その理由はいわゆる五十肩という言葉ができた明治時代と比較すると、平均寿命が2倍になったからです。

長生きされると、左肩、右肩、右足、左足の順番でいわゆる五十肩と呼ばれる症状を経験します。

明治時代は9割が第一次産業でしたので体を酷使していました。

ところが現在は9割がサービス業と変化しました。

それによって、利き腕と軸足を酷使するケースが大半であった仕事が大半を占める環境ではなくなったのです。

私はいわゆる五十肩は遺伝子のスイッチが入って発症し、オフになって改善するのではないかと考えています。

これまでは、年のせいとされてきました。

しかしながら、1歳から2歳年齢を重ねて改善するのですから、「年のせい」でないことは確実です。

残念ながら、このような重症な症状を簡単に改善することはできません。

しかし重症化を予防することはできます。

次回は具体的に予防改善する方法を解説します。。