腰痛、背中の痛み、首の痛みを総称して背中の痛みと言います。
それに対し手足の痛みを総称して関節の痛みと言います。
人間の体には約206個の骨から構成される約200個の関節があります。
健康な体であればその一つ一つの関節に、8方向に1ミリずれて復元する免震構造のような弾力が備わっています。
それは、巨大地震の衝撃を10分の1以下に緩衝する免震構造システムと同様な優れた機能なのです。
骨格模型を思い浮かべてみましょう。
実際の体には,骨を連結する靭帯、筋肉、血管,神経,筋膜、皮膚などの軟部組織がついています。
それはちょうど我々が寒い時に重ね着する洋服のようなものなのです。
大別すると6種類の関節を覆う膜が、我々の骨を守ってくれているのです。
日本家屋に例えると,柱が骨とすると、壁(土、紙)や筋交い、ふすまや障子,屋根瓦,などが筋肉や皮膚のようなものです。
動く柔らかさと支えるかたさという相反する要素を備えてはじめて健康な体を維持できるのです。
藁ぶき屋根の古民家が100年はおろか300年も現存しているのには明確な理由があります。
それは便利さばかりを追求することなく,自然とちょいうわした自給自足の生活を第一に考えていたからにほかなりません。
30歳までしか平均寿命が負かった時代に100年以上も持つ家を建てていたのに,100歳まで生きるかもしれない時代に30年で建て替える家に住んでいるなんて何とも皮肉なものです。
最も昔は第一次産業が90パーセントでしたが、現代社会は90パーセントがサービス業です。
したがって何代も同じ家に住むことはあり得ないのです。
それにしても米国が55年,ヨーロッパが77年に対し日本はわずか33年で家を建て替えているのはもったいない事です。
そう考えるとこれからは、持ち家ではなく借りて住むようになるのが自然になることでしょう。
歴史を見てもほんの少し前まで大半の人間が借家住まいだったのですから。
仏教では輪廻転生という思想があります。
そう考えると、われわれの体は仮の住まい,あるいは乗り船と考えることもできます。
魂は永遠不滅ですが、悟りという目的を持った旅の途中で乗る船あるいは住む家を変えているのだということになります。
神様からお借りしていると考えると、なおさら大切に使わなくてはいけません。
そのためにはできる限り自分で手入れを怠ってはいけないのです。
現在の日本では人々が運動する場所は道路です。
ところが最近では急速に大小のトレーニング施設が建設されています。
これも時代のニーズにこたえた結果と言えるでしょう。
関節ニュートラル整体は、手技療法とリハビリテーションが一体となったケアシステムです。
慢性痛の90パーセントは、関節を覆う膜(皮膚,筋膜、筋肉、血管,神経、軟骨、靭帯など)の不具合を改善することで改善できます。
関節を覆う膜は魚を捕る網に例えることができます。
全身をめぐる神経や、血管が網目のように張り巡らされているという表現がありますね。
その網がこんがらがった状態ではいけないのです。
まず最初に、その状態を改善してから運動をすることが大切です。
また人生を90年とすると、30までが全盛期,60までが壮年期,90までが老年期と言えます。
したがって30歳を過ぎたら適切な手入れをして運動をすることが大切なのです。
常に予防の意識を持ちながら、全身の関節の弾力を意識することが生涯現役でいることにつながるのです。
うまい話はありません。
腰痛や肩こりや首の痛みを放置すると、やがて手足の痛み,しびれ,麻痺になるかもしれません。
大切なことは、動きや筋力を自分チェックすることです。
私は、そうすることで死ぬまで働くことも可能になると信じています。