近年股関節の痛みで苦しむ患者さんが来院されることが多くなりました。
その大きな理由は65歳以上の人口が28パーセントになったからです。
また75歳以上の患者さんも以前の約10倍の8人に1人になりました。
したがって重症化を防ぐことが何よりも大切であると痛感しています。
ラジオ体操が公開されたのは今から92年前の1928年。
当時の平均寿命は約30歳だったのです。
したがって正座や胡坐ができない人は本当に珍しかったものでした。
大東亜戦争(1945年)の敗戦後、日本人の生活は大きく変化しました。
それまでたんぱく質は主に魚から摂っていたのが、現在ではパン食になり、肉を多く食べるようになりました。
これは米国政府が第二次世界大戦(大東亜戦争)の当時飛躍的に向上した米国の農業生産性で小麦、大豆、トウモロコシが過剰生産されました。
貯蔵する倉庫の確保すらままならないほどだったのです。
そこで米国政府が狙をつけたのが、敗戦国の日本でした。
当時を知る人はキッチンカーで洋食化の洗脳を受けた経験を覚えていることでしょう。
東京大学教授が書いた「お米を食べると馬鹿になる」といった本がベストセラーになりました。
戦後75年かけて日本人の食生活は大きく変化しました。
昭和22年に日本人男性の平均寿命が初めて50歳を超えました。
それからは皆様もご存知のように80歳を超える超高齢化社会に到達したのです。
現在では、80歳でゴルフやテニスを楽しむ方も珍しくなくなりました。
その反対側で変形性関節症に苦しむ患者さんも飛躍的に増えているのです。
国際統計によると、45歳未満で2パーセント未満であった変形性関節症が45歳以上になるとなんと15倍の30パーセントになることがわかっています。
65歳以上になると63パーセントになり80歳までに83パーセントになるのです。
予防するためには、体脂肪率をアスリートの2倍以内(女性は24パーセント、男性は20パーセント)程度に保つことが大切です。
この程度であれば、空腹時に体を動かす習慣を維持することで容易に達成されます。
米国で行われた肥満症(体重100キロ以上の超肥満)のリサーチによると、肥満の原因は運動不足や食べ過ぎが原因ではないことが判明しました。
これは延べ300万人のあらゆる人種を対象に20年かけて行われたものです。
肥満の原因は、なんと座りすぎだったのです。
言い換えると座りすぎの1時間を細切れでもいいから、空腹時に動くだけでいいのです。
アナボリックステロイド(たんぱく同化剤)や成長ホルモンを使用して作り上げたすごい体に憧れてはいけません。
あくまでも健康を目指したエクササイズを習慣化するだけでいいのです。
私が考案した関節ニュートラル整体の慢性痛(腰痛、背中の痛み、首の痛み、手足の関節の痛み)に対する有効率はほぼ100パーセントです。
安全確実な手技療法とリハビリテーションを駆使してケアーすれば当然の結果なのです。
慢性痛の原因は関節の弾力の異常です。
したがって、手技療法とリハビリテーションの応用発展形である、関節ニュートラル整体の技術を駆使しても改善しない痛みは、急性痛なのです。
そのようなケースは直ちに手術の専門医にご紹介するのが及川治療院のルールなのです。
もう一度言います。
股関節の痛みは初期には、腰痛かひざの痛みを訴えます。
変形性股関節炎の症状が進行して初めて、股関節の痛みを自覚するのです。
足の爪切りが不自由になれば初期。
毎日履く靴下がはきずらくなれば、末期です。
及川治療院のベッドをまたぐことができない状態(股関節の外転が90度未満の状態です)の患者さんが手術を回避できた症例は皆無です。
初期の状態で関節ニュートラル整体のケアーを受け、重症化を予防したいものです。