関節の痛みの中で最も多いのは腰痛とひざ痛です。
整形外科を受診する患者さんの80パーセントは,症状として腰痛とひざ痛を訴えている方です。
整形外科を受診する大多数の患者さんは、腰椎やひざ関節に変形があるとか、それほどでもないとかということをレントゲン検査で診断されます。
専門医の診断で変形性関節症などという診断名が出ると、一般の方は当然関節の変形自体が原因であるかのように思ってしまいます。
ところが実際には関節面が変形していても腰痛やひざ痛に苦しまない方が大多数です。
結論を言うと関節可動域の著しい低下や左右のアンバランスこそが腰痛やひざ痛の原因なのです。
私は変形性関節炎を予防改善する体操(腰痛肩こりケア体操)を考案しDVDや本、そしてユーチューブにまとめて公開しています。
腰痛肩こりケア体操は、全体で58パターンあるために難しそうに感じられますが、実際はわずか10分でできて、しかもとても快適な体操なのです。
なんとか日本中にこの体操の概念を広げたいと思い、その中で最も効果があり変形性関節症の根本原因となっている、下半身の筋肉の拘縮を改善できる4種類の腰痛肩こりケア体操が実践できる健康器具を開発し、2019年に特許出願をしています。
人間の筋肉の70パーセントは下半身にあります。
直立歩行を可能にしているのは、当然のことながら下半身の筋肉なのです。
どなたでも30歳までは全盛期ですので下半身の筋肉の拘縮はほとんどありません。
ところが30歳から60歳の期間は少なくとも半分以上の方に筋肉の拘縮が現れるのです。
やがて60歳から100歳までには大多数の方が変形性関節炎になるのです。
したがって下半身の筋肉の拘縮を予防改善することで、関節に変形が起きるのを予防改善する必要があるのです。
関節の変形は、舗装した道路が経年劣化で凸凹になってしまう状態に近いのです。
つまり日常生活に支障が出る前に舗装工事をする以外に方法はないのです。
しかしながら人間の骨はおよそ2年で全く新しく入れかわっているのです。
また筋肉や腱や血管、神経などのいわゆる柔らかい組織(軟部組織は)はおよそ3か月で新しく入れかわります。
プロ野球のキャンプがおよそ3か月であるのはこのような根拠から期間が設定されているのです。
残念ながら人間の骨はいったん変形してしまうと、変形した状態で再生するのです。
従って変形が原因で日常生活が支障が出る重症化の状態になる前に、予防改善することがベストなのです。
現実問題として腰痛やひざ痛の95パーセントは,関節を覆う膜の不具合(弾力がない、あるいは支持性がない)を改善することで根本改善が可能です。
そのためには症状が現れている腰やひざの検査だけではなく、全身の関節の弾力の検査と調整が欠かせないのです。
夜中に歯ぎしりをしていつの間にか歯がすり減ってしまう方がいます。
そうなる前に評判のいい歯科医の元でマウスピースを製作することが大切なのです。
もう一度繰り返します。
関節可動域の低下が10年続くと腰椎椎間板ヘルニアになります。
その状態が15年継続すると変形性脊椎症になることが知られています。
変形性脊椎症や変形性関節症の原因は半分は遺伝性であることがわかっています。
現在では、HIF2Aというたんぱく質が過剰に働くと変形性関節症になることが解明されています。
一日も早く変形性関節症を予防する薬が完成することを願うばかりです。
車に使用されているゴムが経年劣化するように、常に極端な可動域の低下や左右のアンバランスが起きないように腰痛肩こりケア体操を行いたいものです。