腰痛、背中の痛み、首の痛み、四肢の関節(股関節、膝関節、足関節、肩関節、ひじ関節、手関節の総称)をまとめて関節の痛みといいます。
現在ではそれぞれの関節の専門医が存在します。
したがって手術が必要だと考えられる重症なケースの患者さんは、それぞれの学会の認定医もしくはベストドクターのもとを訪ねるのがいいでしょう。
全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。
大谷選手のように30台前半の方であれば、その部位だけの修理も可能です。
しかしながら50歳以上になると人工関節置換術以外の選択はなくなる可能性があるのが現実問題です。
インフォームドコンセントという概念があります。
新型コロナによるパンデミックの前と後では情報量が3・5倍にまで増えました。
したがって情報リテラシー(情報の目利き)がない大多数の患者さんに選択を迫るのはどう考えても無理でしょう。
私自身うまい話の情報は見ないことを決めています。
具体的に言うと健康に関しては、がんが治る、心臓病が治る、肺炎が治る、脳血管疾患が治るといった本や動画です。
毎年の死者の数字を見ると。
1、がん(38万人)
2、心臓病(20万人)
3、肺炎(12万人)
4、脳血管疾患(10万人)
が死亡原因の上位4番です。
毎年約138万人が死亡しそのうち100万人は80歳以上です。
この数字はしばらくの間増えるのですが、やがて日本の人口減少とともに減少することになります。
終戦の時の日本の人口が約7千万人でしたので、その当時まで人口が減ると予想されています。
ドイツの人口はそれより少ない約5千万人。
したがって政府が適切に投資することで生産性を上げればよいのです。
何よりも問題になるのが様々なサービスを提供できる人材がいなくなることです。
無能なリーダーの間違った減反政策の結果今年はお米が不足する事態を経験した方も多いと思います。
長い歴史の大半で、第一次産業(農林水産業)が占める割合は産業全体の90パーセントでした。
ところが現在ではわずか10パーセント。
災害死が大半を占めるわが日本国。 それに対し日本以外の先進国は紛争死が多いのです。
したがって国土の保守点検が必要なのは歴然です。
民主党政権が「コンクリートから人へ」という現実離れしたスローガンを抱え、本来政府がするべき国土の保守点検を怠ってきました。
米国は約3倍。 イタリヤですら2倍。 我が国は0・65倍。
これでは国土強靭化というスローガンだけで現実離れした政策ですね。
先進国の大半は電柱の地中化が達成されています。
韓国でさえ50パーセント。
日本は1パーセント。
風速70メートル以上の台風が確実に襲来することがわかっているのに、風速45メートル以上で倒壊する電柱が道路を寸断する状況を想定していないのです。
防潮堤も南海トラフ地震で3分以内に34メートルに到達する最悪のケースを想定しているとはとても言えません。
大石久和先生のオンライン国土学ワールドをご覧になって防災意識を高めてください。
京都大学名誉教授の鎌田先生の予想によると、首都(前回は1923年))はいつ起きてもおかしくないそうです。
南海トラフ地震(前回は1944年)は早くて5年以内、遅くて10年以内だそうです。
その地震が引き金になって30年に1回起こる富士山の爆発が起こるのです。
火山灰によるインフラの停止に対する備えは十分すぎるほどでしょうか?
私はすべての国民にこのような事を教育する必要があると思います。
公共放送であるNHKはいたずらに恐怖をあおるのではなく、国民を利する情報を提供するべきだと思います。
翻って関節の痛みについて考えてみましょう。
超高齢化社会の現在90歳まで生きることになるのも珍しくはありません。
そこで大切になるのが教育です。
永久歯を失う事にならないように定期的に行う歯のメンテナンスのように、関節のメンテナンスも必要不可欠なのです。
私が申し上げたいのは、自覚症状がなくても定期的に行うべきメンテナンスのことです。
人間の自覚症状に頼るのではなくメンテナンスを受けるべきなのです。
長年の臨床経験でいえることは、大半の患者さんが気が付いたときは重症化してしまっているというのが現実なのです。
関節を健康に維持するのは関節の運動を理解することです。
背骨を例に例えると関節を覆う膜は次の6層です。
1、皮膚及び皮下組織
2、筋膜
3、筋肉
4、神経と血管
5、椎間板と軟骨
6、靭帯
最奥部にある骨は骨膜は痛みを感じますが、骨自体は痛みを感じない組織なのです。
したがって気が付いたときは身長が3センチ以上も短くなる末期の状態になるのです。
大切なことは関節の重症化を予想し、定期的なメンテナンスを受けることです。
関節の動きは次の3段階です。
1、自動運動
2、たわみ運動
3、遊び運動
このうちの2,3は定期的に運動をしていない方は相当に悪化してから自覚症状が出るのです。
全身の可動域を検査することの大切さはいくら強調しても足りないくらい重要です。
関節の自動運動と他動運動。
筋肉の自動運動と他動運動。
このどれかが欠けたとしても適切なメンテナンスとは言えないのです。
私を含めて人間の脳は過去1万年以上、ほとんど進化していません。
やがてAIが人間の脳の領域をはるかに凌駕するときがやってくるはずです。
その時を待たずに全身の保守点検ををするのはいかがでしょうか?