９割の仙腸関節炎は完治します。

その理由を解説する前に、仙腸関節について簡単に説明してみます。

仙腸関節とは下肢帯（股関節、膝関節、足関節の総称です）と上半身を連結する関節で左右にそれぞれ２か所ずつ合計４個の関節です。

この関節を構成している靭帯は、前仙腸靭帯、後仙腸靭帯、仙結節靭帯、仙棘靭帯、腸腰靭帯などがあります。

骨盤を構成している骨は左右にある寛骨（腸骨、座骨、恥骨の総称です）と中心にある仙骨と尾骨があります。

これらのうち腸骨と仙骨を連結している関節を仙腸関節と呼ぶのです。

この関節も他の関節と同じように８方向（圧縮、けん引、前後の滑り、左右横の、左右の回旋など）に遊びがあります。

上記の強力な靭帯で結合されているだけではなく、８方向に運動を制限する筋肉で守られていますので不意に転倒して直接仙骨や尾骨を強打したり、交通事故などで寛骨を骨折するなどの重大な損傷でもない限り、捻挫や骨折、脱臼が起きることは稀なのです。

我々人間だけが哺乳類の中で直立歩行をします。

生まれて間もなく４足走行できる他の動物と比較すると、二本足で立ちあがって走れるまでの時間が比べられないくらいにかかります。

平均寿命が３０歳であった江戸時代や４０歳であった明治時代。

その時代までは早く立ち上がり、早く成長し早く一人前になることが幸せであると考えたのも当然です。

１９５８年（昭和３３年）生まれの私の子供時代の写真は歩行器で立っていました。

ところが現在では立ち上がるのができるだけ遅いほうがすべてにおいて優秀であることがわかっています。

ハイハイをする期間がとてもたいせつなのです。

その期間が短い子供は転倒すると両手を使わないで顔面を強打するのです。

大器晩成という言葉があるように、ゆっくりと時間をかけて成長することが大切なのです。

ネズミはわずか３週間で短期記憶の中枢である海馬が完成します。

人間の海馬ができるのは３年。

つまり３歳以前の記憶はないのです。

この期間にひどく転倒することが、医学的には仙腸関節炎や腰仙関節炎と診断される、いわゆる腰痛の原因になっているのです。

３歳以降の事故や捻挫や骨折、脱臼に関しては本人が記憶しています。

それ以前の記憶は、子供を見ている両親や他の家族の記憶なのです。

私が考案した関節ニュートラル整体は症状がどこの関節であっても必ず全身の関節を検査して異常があればその場で調整します。

上肢帯（肩関節、ひじ関節、手関節、胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲上腕関節）と下肢帯（股関節、膝関節、足関節）の関節の検査と調整の後に背骨、肋骨、胸骨、から構成される関節を検査して調整します。

そのあとに調整するするのが腰仙関節と仙腸関節です。

脊椎分離すべり症の方は仙腸関節の調整の後に腰仙関節を調整します。

それ以外の患者さんは、腰仙関節、仙腸関節の順番にするのです。

全身には約２０６個の骨から構成される約２００個の関節が存在します。

正常であればそれぞれの関節に８方向に１ミリズレて復元する免震構造システムに勝るとも劣らない機能が備わっていますので痛みや機能障害は起きません。

この機能は災害が起きて初めてその大切さがわかる、インフラシステムのようなものです。

例えば防潮堤の大切さは、巨大な津波が来て初めてわかるようなものです。

他の国の様に、紛争死で死亡するのではなく災害死で死亡する我が国日本。

災害に備えるためにインフラの整備が大切なのです。

転倒による捻挫や骨折を放置してはいけません。

仙腸関節の検査と調整は左右にそれぞれ10、合計で２０か所あります。

最善のケアーは体に何らかの衝撃を受けた場合は、症状が出る前に点検整備をすることなのです。

閑話休題

水道水に塩素消毒がされたことによって赤ちゃんの死亡率がそれまでと比較して飛躍的に改善されたのが大正１０年でした。

水道水に投入されていいる液体塩素がなければ、日本人の平均寿命は明治時代に逆戻りするかもしれません。

日本人の平均寿命が現在のように伸び始めたきっかけが、インフラ整備であったことを知る方はそんなに多くはありません。

アフガンで殺された中村医師が、「国民の健康や生命に大切なのは１００の診療所よりも一一つの用水路なのです」という名言を残しました。

ご存じのように我が国は災害死が多い国です。

他の先進国の首都は有史以来巨大地震に遭遇した経験がありません。

東京都の人口は１４００万人。

首都圏の人口は３８００万人。

今から１００年前の大正時代に我が国の災害で最も死者が出た関東大震災が起きました。

その当時は日本の全人口の１３，８パーセントが関東に住んでいました。

ところが現在では何と２倍以上の３０パーセントになったのです。

災害死が大半である日本以外の先進国は、リスクを考えて一つの都市に人口が集中することはありません。

残念なが我が国は阪神淡路大震災級の地震があらゆる都市で起きるのを避けることはできません。

それがわかっていながら何もできていないというのが現実なのです。

仙腸関節炎という関節の痛みに対するベストな予防措置は常に保守点検を怠らない事なのです。

残念ながら一度変形してしまった関節は手術以外には改善することができません。

歓声が変形して症状が重症化する前に、適切なケアーを受けることで未然に防ぎたいものです。。