関節の痛みの重傷化を防ぐ運動療法は本当にあるのでしょうか?

その唯一の方法は全身の柔軟性を維持する事です。

全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。

そのすべての関節の運動が完全に機能しているかを保守点検することが大切なのです。

例えば骨盤の中にある4つの仙腸関節があります。

この関節は上半身と下肢帯を連結する重要な機能を備えた関節です。

上肢帯の運動の軸は胸鎖関節です。

下肢帯の運動の軸が仙腸関節です。

4個の仙腸関節にはそれぞれ屈曲と伸展の関節運動があります。

例えば4個の仙腸関節のうち右側の下部の伸展障害があるとします。

その原因が股関節の伸展障害をかばう事で起きているとすると、股関節の屈曲して伸展する関節運動を改善しなければ仙腸関節だけを調整しても根本改善はできないのです。

また痛みがある関節運動をかばう事で左荷重になる結果脊椎がねじれることになるのです。

結論を言うと症状が起きている部位の関節だけではなく全身の関節の動きの検査と調整が必要不可欠なのです。

それと同時に痛みの原因が関節そのものにあるか(関節包内運動といいます)関節包外にあるかは全身の関節運動を検査することで明確にわかります。

したがって関節の自動運動と他動運動に加えて、筋肉の自動運動と他動運動が必要になるのです。

簡単にできる関節の弾力の検査をご紹介します。

開脚、長座、胡坐で前屈して両肘が付きますか?

正座してあおむけになれますか?

この4種類のストレッチは真向法といいます。

脳血管疾患による後遺症を克服した方が考案したストレッチです。

ところがこのようなストレッチをまじめに継続して柔軟性が向上する方に対して、半数の方はどんなにまじめにストレッチを継続したとしても柔軟性は全くと言っていいほど改善しないのです。

そのようなタイプの方は生まれつき筋肉や腱が短いのです。

したがって筋肉や腱をほんの少し収縮することで初めて引っかかっている限界からのびるのです。

具体的には私自身が10年以上前に「腰痛肩こりケア体操」とい動画を公開していますので是非ご覧ください。

もしあなたが前屈して両肘がつかないレベルの柔軟性しかないとすると、どんなに創意工夫をしたとしても自分で柔軟性を獲得するのは不可能といえるでしょう。

まずは標準以上の柔軟性になるまでプロの指導を受けるべきなのです。

15分で全身の関節運動を最適化できる方法が腰痛肩こりケア体操です。

そのメカニズムを詳しく解説したのが私が10年以上前に投降した動画なのです。

その運動の最後が長座、胡坐、開脚の状態で前屈して両肘がつくのを目指す体操なのです。

動画をご覧になれない方のために運動を解説してみます。

まずは背骨を曲げないで前屈してどれくらい指先が前に伸びるかを測りましょう。

お尻を壁に着けて、長座、胡坐、開脚で前屈して指が付くポイントに目印をつけてみます。

ひと月ごとにこのポイントが広がることを確認しましょう。。

前屈して頭がつくのを目指して収縮と弛緩を10回繰り返しましょう。

ほんの少し体重をかけるだけで充分です。

ここで注意したいのは背骨をまっすぐに伸ばした状態で10回行う事です。

繰り返しになりますが、運動前にどれくらい指先が伸びるかを正確に測りましょう。

次にボールを投げる際に行う側屈を同様に10回繰り返します。

反対も同じように行いましょう。

同じ側屈の運動ですが、今度は右手を斜め後ろにした側屈を行いましょう。

反対も同様に行いましょう。

この2種類の側屈運動をした後に、前屈を図ってみるとほんの少しですが前に進むはずです。

どんなに硬いとしても手の先は床に着く方が大半です。

したがって手がつく方は頭がつくのを目指すことが大切です。

添うように肘がつく方は頭がつくのを目指し、頭がつく方は胸がつくのを目指しましょう。

伸びるのが例えば1センチ程程度であったとしても、毎日できれば一日2回繰り返すことで3か月で確実に5センチ以上は可動域が改善されるのです。

収縮弛緩を繰り返した後は可動域が増えますが、はじめのうちはかえって可動域が減るケースも珍しくはないのです。

これは体に癖がついている状態を改善するうえで避けられないのです。

まさに3歩進んで2歩下がるといったものなのです。

1月で何となく手ごたえを感じることでしょう。

3か月毎日継続することではじめと比較すると格段に可動域は改善するのがわかります。

大切なことは継続をやめない事。

やめてしまえば元の木阿弥なのです。

4種類の運動しかないので比較的継続しやすいのです。

私が解説している動画を少なくとも3回繰り返しご覧ください。

全身で58パターンの運動がありますが、最後に行うのがこの運動ななのです。

ペアで行うと格段に効果が上がりますが、強度が高すぎると肉離れを起こしますので最弱の強度で行うことがポイントです。

農作物を育てるのには一定の期間が必要です。

柔軟性を改善するためには最低でも3か月の期間が必要なのです。

その理由は筋肉や腱、神経や血管などの軟部組織が入れ替わる期間が3か月だからなのです。

ちなみに骨が入れ替わるのは2年です。

関節の変形が10パーセント以下であれば回復することも可能です。

しかしながらそれを超えると現状維持することさえ難しくなるのです。

どなたでも関節が変形し身長が低くなるものです。

したがってそうなる前に予防する習慣を持つ事が何よりも大切で効果がある最善の方法なのです。。