関節の痛みとは、背骨の関節の痛み(首の痛み、背中の痛み、腰の痛み)と手足の関節の痛み(肩の痛み、ひじの痛み、手の痛み、股関節の痛み、膝関節の痛み、足関節の痛み)の総称です。

日常生活に少し支障がある程度の関節の痛みの大半は、時間の経過に比例して改善します。

そうならないケースになって初めて整形外科を受診する方が多いのです。

そこでレントゲン検査を受けて関節自体に医学的に問題はないと診断されると、一応安心します。

ところが3か月経過しても症状が改善しないケースがあるのです。

残念ながら整形外科で整形外科テストを省略している病院が大半であるために、関節のレントゲン写真による診断だけで関節可動域の検査は省略されているのです。

その理由は整形外科テストは多忙である医師自身が行う必要があるためです。

時間が経過しても症状が改善しない方が、友人のご紹介で及川治療院に来院される方が大半です。

及川治療院では症状がある関節だけではなく、全身の関節の可動域の検査と調整を行っているのです。。

関節の動きは次の3段階です。

1、自動運動(自分の筋肉で動く範囲)

2、たわみ運動(自動運動に負荷をかけてさらに動く範囲)

3、遊び運動(たわみ運動の範囲から限界までおよそ1ミリ限界まで動く範囲)

この運動範囲の中で関節の痛みが起きて初めて、もしかすると痛みが長引くのではないかと不安になり来院されるのです。

ストレートネックやストレートバックという言葉をご存じでしょうか?

日本語に直すと猫背の反対の平背という形状です。

これも関節の形状事態に原因はないのでご安心ください。

スマホのやりすぎだとかパソコンのやりすぎといわれますが全く違います。

実は半数の方が全く背骨の湾曲がないストレートな形状なのです。

しかしながら、関節の弾力を改善することで痛みは改善しますし再発も予防できるのです。。

長引く関節の痛みで苦しむ患者さんの80パーセントは、関節の弾力を的確に検査して調整することで完治します。

その一方で関節自体の変形は全く改善しないのです。

このような理由で、痛みの原因は関節の変形ではなく弾力の異常であることがわかるのです。

大切なことは関節可動域が1割以上減少した状態を放置しないことです。

腰痛を例に具体的に説明します。

両膝をそろえてひざ裏を伸ばした状態で前屈してみましょう。

床に指先がつけばプラスマイナスゼロ。

げんこつがつけばプラス10センチ。

手のひらがつけばプラス20センチです。

問題はマイナスのケース。

マイナスのケースは10年継続するといつの間にか腰椎に椎間板ヘルニアが発生します。

15年継続すると関節の変形が始まるのです。

前屈が十分にできないと、後屈が過剰になり関節の変形が起きるのです。

前屈が十分にできない原因の80パーセントは下肢後面の筋肉(ハムストリングスやアキレスけ腱)の拘縮です。

したがって下肢後面の筋肉の拘縮を改善することが腰痛や下肢痛を未然に予防する方法なのです。

私はこの問題を根本改善できる健康器具を発明し特許を取得しました。

私の治療室にはこの器具のデモ機が3台あります。

数年間患者さんに協力いただいてテストを繰り返し、様々なデータを蓄積してまいりました。

重要な事なのでもう一度繰り返します。

関節の痛みの原因が関節の変形自体にあるケースは全体の10パーセント以下です。

したがって関節の痛みで苦しむ方の残りの90パーセントは改善が可能なケースです。

人体には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。

正常な関節には、8方向に1ミリズレて復元する免震構造システムに勝るとも劣らない機能があります。

その機能の保守点検システムが関節ニュートラル整体です。

ギックリ腰や寝違え、肉離れなどの筋膜や筋肉のケガは時間の経過で改善します。

しかしながら、けがの原因である柔軟性の低下は、残念ながらどんなに時間が経過したとしても全く変わることはありません。

したがって大切なことは、関節の可動域や弾力を改善することなのです。

私はこれまで46年にわたり数多くの患者さんを診てきました。

その経験から言えることは、背中の裏の筋肉の拘縮を改善することが何よりも大切であることに気づきました。

その中でも特に下肢後面の筋肉(半腱半膜様筋、大腿二頭筋)と下肢前面の筋肉(大腿四頭筋)のバランスを改善することの重要性に着目しました。

このアンバランスを改善できる健康器具を開発し、特許を取得しました。

現在もう一つのタイプの健康器具の特許を出願中ですので、それが取れ次第動こうと考えて準備しています。

前屈して指先が床に着くかどうかを調べる検査(FFD)があります。

指先が地面についてプラスマイナスゼロ。

げんこつが床に着く方はプラス11センチ程度。

手のひらがつく方はプラス18センチになります。

下肢後面の筋肉(ハムストリングス)の拘縮がひどい方は膝を曲げないと指先を床に着けることはできません。

試しにひざを曲げてもいいですから、げんこつを指先に着けた状態でどれくらい膝が曲がるかを調べてみましょう。

この状態でひざを伸ばそうとしても全く変化することはありません。

その理由は、ハムストリングスが拘縮している方は、同時に腱が拘縮しているために全くストレッチが効果がないのです。

筋肉と骨を連結する組織を腱といいます。

その中にある腱紡錘は自己抑制のニューロンと呼ばれています。

わかりやすく言うと、腱が伸びすぎるのを防ぐ機能があるのです。

そこでひざがのいないのはまげて伸びないと考えればよいのです。

大切なポイントは、曲げすぎるとどれくらい伸びたかがわからなくなるので、最小限にすることです。

両手のこぶしを床に着けた状態で、膝が伸びないから曲げて伸ばす運動を15回繰り返しましょう。

そして最後に15秒間軽めのストレッチをします。

そうするとほんの少しですが両膝が伸びることに気が付きます。

今度は相撲の立ち合いのようなポーズでひざを曲げげんこつを床に着けた一がスタート。

同様に両膝が伸びないからほんの少し曲げて伸ばす運動を15回繰り返した後に15秒間のストレッチ。

この2種類のストレッチを最低一日2回は行いましょう。

筋肉などの軟部組織は3か月で入れ替わります。

したがって可動域を改善するのは3か月かかるのです。

80パーセントの方は運動後すぐに可動域の改善を確認できます。

そして1か月で格段に可動域は改善します。

もう一つの運動はアキレス腱の収縮ストレッチです。

アキレス腱が拘縮している方は、つま先立ちはできるが、つま先上げが20度以上できないのです。

両足を閉じて和式トイレに座れますか?

両足を開いて同じことができますか?

このテストで足底腱膜やアキレスけんの拘縮がわかります。

改善する方法は、階段のヘリを使ってのかかとの上げ下げの運動(カーフレイズ)です。

ストレッチポジションを意識して、可動域はかかとが水平になれば十分です。

つま先の向きをそろえて行うパターンと45度開いて行いましょう。

負荷をかけたければ、片足で行えばよいのです。

関節の痛みの9割は脊椎椎間関節の拘縮が原因です。

したがって椅子に座った状態でテーブルに両手をついた状態で立ち上がるいわゆるベンチスクワットを45回連続、75回連続、125回連続の3段階で無理なく回数を伸ばしましょう。

回数が到達できなくても全く構いません。

3か月もすればほとんどの方は125回連続できるようになります。

運動の最後に和式トイレに座った状態で首を下げる(いわゆるヤンキー座り)ストレッチを15秒以上1分未満で行います。

椎間板ヘルニアの急性期以外の方は痛みやしびれに効果がありますのでやっていましょう。

その前にわずか1分でできる下肢帯の筋肉の調整を目的としたエクササイズを習慣的に行いましょう。

この4パターンのエクササイズを習慣化することで、早い方は1週間、遅くとも4週間で可動域の改善が見られます。

筋肉が入れ替わるのは12週間(3か月)です。

大切なことはその状態を維持継続することなのですす。