腰部脊柱管狭窄症及び腰椎分離すべり症と診断されて左下肢の痛みに悩まされた患者さん(つくば市在住70歳男性)の症状が合計28回の施術で完治しました。
この男性がMRIの検査を受けたのは、つくば学園病院です。
初診時前屈はマイナス20センチでした。
そして後屈時に左下肢痛が悪化するケンプスサインが出ていました。
連続して30分の歩行ができなかったため、脊椎の手術の専門医である坂根正孝先生に紹介状を書いてもらう事をお勧めしました。
その結果は、腰部脊柱管狭窄症と腰椎分離すべり症はあるが、まだ手術をするのは早いという診断でした。
私は坂根正孝先生が日本一になったNECのラグビー部の顧問医師であったころからお名前は存じ上げていました。
また坂根先生の師匠であった故矢吹先生の手術を受けた患者さんも数多く施術(手技療法とリハビリテーション)をやってまいりました。
そのほかにも現在つくばメディカルセンターの脳神経外科部長である上村先生やつくば市にある岡野整形外科の院長である岡野先生の患者さんにもかかわってまいりました。
私は上村先生以外はお目にかかったことはありません。
患者さんからお聞きした情報によると、この3人の先生は脊柱管狭窄症の開窓術を考案した矢吹先生の同門だという事です。
このような経験からわかった事実を書いてみます。
脊椎の手術は完治率がとても低く何と20パーセントです。
このような理由で、執刀医と手術のタイミングを選ぶことが大切であることは明白です。
1,100メートルの歩行ができない。
2、消炎鎮痛剤で痛みがコントロールできない。
3、膀胱障害が起きている。
といった症状があれば間違いなく手術をするタイミングです。
私が住む茨城県は、このような症状の患者さんは筑波メディカルセンターに救急搬送されるケースが大半です。
人口当たりの医師の数が最下位が埼玉県。
最下位の下が茨城県。 その上が千葉県です。
ビリから2番目の茨城県は医学部がある総合大学が筑波大学しかないのです。
も一つ牛久市の隣にある、東京医大の分院である阿見医大がありますが、眼科は有名ですが整形外科をはじめ他の科の評判は今一つ。
保険業務が停止になる不正事件が2回。
文科省の職員の不正入学が1回。
新聞やテレビでも大々的に報道されてからは、眼科以外はとても行きたいと思いません。
このような理由で、以前から茨城県においては筑波大学の支店であるつくばがついている病院に行く方が多いのです。
私が茨城県牛久市で開業したのは約40年前です。
したがってその間の医学の歴史はほかの誰よりも詳しいかもしれません。
現在整形外科は、関節ごとに学会が分かれています。
肩関節の専門医。
ひじ関節の専門医。
手関節の専門医。
股関節の専門医。
ひざ関節の専門医。
足関節の専門医。
脊椎椎間関節の専門医といった具合です。
内臓であっても心臓、肝臓、胃、大腸、小腸、肺、すい臓、腎臓などそれぞれ専門医が分かれているのと同様です。
このように人体を細分化したことによる反省を踏まえて、総合診療科という分野ができました。
日本は明治時代に西洋医学が導入されました。
明治、大正、昭和、平成、を経て現在の令和になりました。
私は年間100回以上の講演を継続していることから、必要に迫られて世界史を勉強しなおしました。
新型コロナによるパンデミックを経験し、感染症や経済の勉強もしました。
歴史は繰り返すが、2度と同じ事は起きません。
長年継続した木材の時代。
300年続いた石炭の時代。
100年石油の時代からITの時代となりました。
ざっくりと世界史の情報をアップデートするとともに、明治時代からの近現代史を学びなおすことはこれからの時代を生き抜くうえでとても大切です。
医学の歴史を振り返ってみても、世界は少しずつ良くなっていることがわかります。
何事もトライ&エラーで学ぶことが大切です。
しかしながら石橋をたたいても渡らない慎重さもまた同時に大切なのです。
私は今から26年ほど前に、全身の関節の弾力を検査して調整するケアシステムを発明しました。
このシステムを関節ニュートラル整体と命名し商法権を取得しました。
しかしながら主に手を用いるケアシステムは特許を取得することができません。
このような理由で関節の痛みを根本改善できる健康器具を開発し試作機を3台制作し、2本の特許を出願しました。
おかげさまで最初に出した器具で昨年特許を取得しました。
そしてついに先月から量産化のプロジェクトが始動したのです。
全身には約206の骨から構成される約200個の関節が存在します。
その一つ一つの関節の弾力を検査して調整するケアシステムが関節ニュートラル整体なのです。
この技術は、専門的な訓練を受けた技術者でないと自在に操ることはできません。
全身の関節の中で最も拘縮がひどいのは坐骨下腿筋(ハムストリングス)です。
この拘縮を最も効果的に予防改善できる健康器具を発明したのです。
たとえ名医の手術を受けたとしても下肢帯の筋肉の拘縮が改善しないケースもあるのです。
手術のタイミングが遅すぎるケースを除いて、完治しない理由の大半が改善できるのです。
椎間板ヘルニアは20代で1000人中500人。
60代で1000人中800人というデータがあります。
また椎間板ヘルニアは1、せんば脱出型。2、分離脱出型という出血を伴う重症なケースが自然治癒(マクロファージが掃除する)することがわかっています。
状態が軽い3、膨隆型。や4、脱出型のほうが手術するケースが大半であることも判明しています。
また脊柱管狭窄症は白人にはほとんどないのに対し、日本人の4人に一人があることも確認されています。
また脊椎分離症や脊椎分離すべり症と診断されるケースも約半数はいるのです。
レントゲン検査だけではわからなかったケースも、CTやMRIの発明によってわかるようになったのです。
今から9年ほど前に、東京大学の准教授であった川口浩先生が関節炎が重症化するメカニズム(H2F1Aというたんぱく質が働きすぎると軟骨が石灰化する)を発見し学会に発表しました。
関節炎が重症化することを防ぐ薬ができたらどれだけの方が救われることでしょう。
私が思うのは、私が考案した関節ニュートラル整体で改善できるケースは、関節炎の初期段階だという事です。
このケアシステムで反応しない患者さんで手術を受けたケースでもハムストリングスをはじめとする関節被膜の拘縮を改善しない限り完治はしないのです。
下肢の痛みやしびれ、麻痺のケースは、とてもリハビリができる状態ではありません。
賢明な患者さんは、症状が全快しなければ退院後に来院し大半が完治します。
もちろん下肢後面の筋肉の拘縮を改善するにしてもベストなタイミングはあります。
患者さんとしても、マスコミや本などの知らない誰かが改善したという情報をうのみにすることなく、自分の家族や知人が改善したという情報が大切かつ有効でです。
全身の関節を調整した後に、腰仙関節(背骨の一番下と仙骨からなる関節)の機能障害なのか、仙腸関節(骨盤の中にある関節)の機能障害であるかを見極めることが大切です。
脊柱管を広げたとしても、分離して滑った骨を復元しても、関節に備わった弾力の点検整備をしない限り完治することは不可能なケースもあるのです。
このような理由から、関節被膜の弾力がひどく失われてからではなく、腰痛の段階で適切なケアー(正確な手技療法とリハビリテーション)を受けることをお勧めしているのです。