茨城県つくば市にお住いの患者さん【70歳女性)の症例です。
主訴は左頸椎下部の痛みでした。
発症して3日目とのことです。
動かして痛みがあり、ケンプスサイン(斜め後ろに反ると上肢に痛みやしびれが出る,頸部脊柱管狭窄症を表すサイン)や10秒テスト(10秒間で25回以上指を握って広げる運動ができるかを調べるテスト,頸椎椎間板ヘルニアによる神経の損傷がわかる)は異常なしでした。
この結果左首の痛みは頸椎筋筋膜症(いわゆる寝違え)であることがわかりますので、完治するまでに80パーセントが7日残りの20パーセントが14日かかることをご説明しました。
この患者さんの症状は、私の予想通り7日間で改善しました。
ところがこの症状を引き起こした原因は全く別の関節の弾力の以上が原因だったのです。
それはおよそ20年前と,24年前に経験した股関節の人工関節置換術による可動域の制限だったのです。
股関節の可動域は、屈曲が120度に対し伸展が15度です。
外転が45度に対し、内転は30度です。
また左右の回旋【内旋外旋)はそれぞれ45度です。
この患者さんは左右の屈曲と左右の伸展,右股関節の外旋および外転、が正常な可動域を下回っていました。
そのために脊椎が動きすぎてしまい、特に姿勢反射が起きる頸椎に不具合が生じたのです。
したがって股関節の可動域の回復が,今後起きるであろう腰痛や背中の痛み、ひざの痛みを予防することになるのです。
この様に関節ニュートラル整体・及川治療院では、可動域や筋力を数字で表現するように心がけています。
そして論理的(筋道を立てて説明する)なご説明と経過の予想をルール化しています。