私はこれまで関節の痛みについての本を14冊,DVDを10本出版してまいりました。
現在でも様々なジャンルの雑誌や動画を配信しております。
現在東京都新宿区にある東京療術学院の顧問兼講師を務めている関係で、平均するとひと月に7コマつまり合計で年間84回の講義を行っています。
それに加え、自身が会長を務める関節ニュートラル整体普及協会でのセミナーも年間を通して最低33回行っています。
現在では東京療術学院の授業数は減りましたがそれでも年間100回以上の講義をセラピストやセラピストを目指す受講生の前で講義しているのです。
私はカイロプラクティックの最も効果的なテクニックである、モーションパルペーション&マニュピュレーション(動的触診法と手技療法)を今から43年前に行っていました。
このテクニックは、カイロプラクティックが法制化していないベルギーのカイロプラクターのドクタージレーが考案し、カナダのカイロプラクターであるドクタージョンフェイが発展させた技術です。
このテクニックは、再現性と安全性において、従来のカイロプラクティックと比較すると大変優れたものです。
しかしながら、可動性の検査と調整の面で精密さに欠けていたのです。
それを補って進化発展した技術が関節ニュートラル整体なのです。
現在では整体やカイロプラクティックといえば全身をもみほぐすような筋肉のモービリゼーションが大半です。
そのようなアバウトな手技療法では現在のような超高齢化社会には十分な対応は不可能といえるでしょう。
全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。
その一つ一つに8方向に1ミリずれて復元する免震構造システムのような機能存在する音をご存知でしょうか?
この機能は、巨大地震の衝撃を10分の一以下に緩衝する免震構造システムに勝るとも劣らない大変優れたものなのです。
私は自分自身が体験した全身で合計5か所の骨折の後遺症を改善する必要性から「関節ニュートラル整体」という全身の関節のケアシステムを考案しました。
このテクニックを私と同じように使えるレベルにセラピストがもう少しで30名になります。
当たり前のことですが、技術は進化発展を継続しない限り退化してしまいます。
この技術は,スピードやパワーに頼らないので老人や女性でも十分にマスターできます。
それだけに、常に基本練習を繰り返し技術練習を怠ってはいけないのです。
前置きが長くなりました。
腰痛、背中の痛み、首の痛みと表現されるいわゆる背中の痛みがあります。
平均寿命が30歳であった時代は、脊椎や骨盤(仙腸関節,腰仙関節)の関節炎を調整するだけで十分でした。
ところが現在では高齢化が進み、股、膝、足関節の関節炎は珍しくないものとなりました。
また、肩、ひじ、手の関節炎もかなりの確率で見られます。
したがって現在を生きるセラピストは、前身の関節を検査して調整するテクニックだけではなく、それを維持するためのリハビリテーションのテクニックも必要となったのです。
理学療法士は10万人を超えました。
欧米では6年生ですが、日本は3年生ですし,残念ながら開業する権利がありません。
また柔道整復師を育成する学校も10倍になりました。
これは鍼灸の学校も同じです。
このままでは共存共栄どころかいわゆる共倒れになりかねません。
これからは、何でもできる修理のプロとしての新しい職業の誕生が必要不可欠なのです。
これまで代替医療はインターン(徒弟制度)で高度な技術レベルを維持してきました。
5年の修業と1年のお礼奉公です。
こんなことをしている分野は大相撲とほんの少しの特殊な分野ぐらいのものでしょう。
約200年の鎖国を経て日本が近代化を遂げたように、代替医療の世界も改革が必要不可欠なのです。
それができるのは鎖国の時代の下級武士のような,若い世代しかありません。
超高齢化社会の今こそ技術を革新し時代に適用する必要があるのです。
平均寿命が30歳であった時代までは、脊柱(背骨と骨盤の関節)の調整だけで十分に対応できました。
現在の世界の平均寿命は72歳(日本は80歳を超えました)。
正座ができない(老人性変形性ひざ関節炎)。
正座してのあいさつができない(変形性股関節炎と変形性ひざ関節炎)。
和式トイレに座れない(上記の関節炎に加え、変形性足関節炎)。
この様な患者さん、に対応するためには、症状を追いかけるだけではなく全身の関節の検査と調整に加えリハビリテーションが必要不可欠なのです。