先日ぎっくり腰の患者さん(40代男性)が来院されました。
ぎっくり腰の大半は筋肉を覆う膜の損傷(筋膜炎といいます。)ですので適切なケアーで80パーセントの患者さんは7日で仕事が再開できるレベルまで回復します。
残りの20パーセントは14日で改善します。
この患者さんは力仕事をしているので筋肉が十分についていました。
しかしながら太ももの裏の筋肉(ハムストリングスといいます)やふくらはぎの筋肉(アキレス腱や腓腹筋、ひらめきんといいます)の拘縮がひどい状態が確認できました。
高校生までのスポーツテストで、両足をそろえて前屈して指先を床につけるテスト(FFDといいます)がマイナス10センチだったそうです。
仕事で筋肉がついてからさらに柔軟性は低下してマイナス20センチまでに低下していました。
来院初日はぎっくり腰の直後でしたので30分間のアイシングの後に、全身の関節と筋肉のケアーを行いました。
痛みをカバーすることによる筋肉のけいれん(筋性防衛といいます)がとてもひどく施術の後に症状がある腰以外の関節は楽になったものの可動域はほとんど変わりませんでした。
動いて痛みがあるのは筋肉の損傷であることを説明して、テーピングをしました。
72時間は必要があって炎症が増加するが、1時間ごとのアイシングと、患部の安静が大切であることを説明しました。
翌日も来院されましたが、体全体は楽になるが、可動域がはっきりと改善されるレベルではありませんでした。
ぎっくり腰を繰り返す原因は、特に下半身の筋肉の拘縮が原因なのでそれを改善しなければ繰り返すことを避けられないという現実を丁寧に説明しました。
もう来ないのかと思っていたら、この患者さんが10日たって再来院されました。
私が指示したことを忠実に守り、3日安静にしてから症状は少しずつ改善し7日ごに仕事に復帰したそうです。
9月9日に来院したのは台風で仕事が中止になったためでした。
今回は全身の関節と筋肉の調整の後のリハビリテーションにも十分に反応しました。