茨城県つくばみらい市にお住いの男性(40歳)が左ひざの変形性関節症による痛みで来院されました。
詳しく問診してみると、20歳で半月板損傷の経験があることがわかりました。
関節ニュートラル整体は手技療法とリハビリテーションが一体となった技術です。
全身には206個の骨からなる200の関節があります。
痛みのない関節には、8方向に1ミリずれて元に戻る免震構造システムのような機能があります。
全身の関節の弾力の検査と調整を行うことで、症状が出ている関節が動きすぎているか動きが悪いのかが明確にわかるのです。
膝の痛みでは、動きがなさ過ぎていたいケースでは正座ができません。
反対に動きがありすぎるケースでは正座はできるのです。
関節の動きは次の3種類の段階があります。
1、自分の筋肉で動く自動運動の範囲。
2、体重をかけるとさらに動くたわみ運動の範囲。
3、限界から1ミリ以内の範囲の遊び運動。
簡単に言うと自分で動いて痛むケースは筋肉の痛み。
体重をかけると痛むケースは靭帯などの関節の痛みなのです。
この患者さんは正座することができませんでした。
したがって関節を覆う膜のうち筋肉だけではなく靭帯や関節包や半月板の異常が考えられました。
1、前屈。
2、後屈。
3、左側屈。
4、右側屈。
5、左回旋。
6、右回旋。
の自動運動(モーションペイン=動いて痛むか)を検査すると
1、前屈。4、右側屈。6、右回旋の動きが悪いことがわかりました。
患者さんのご職業は、頻繁に重量物の積み下ろしをしているトラックのドライバーでした。
したがって、20年前に損傷した右ひざを無意識にかばっていることが原因であると考えられました。
全身の関節の緩和操作と調整を行うことで痛みの原因である関節を覆う膜の異常を改善しました。
そのあとにリハビリテーションを行って終了です。
もう一度モーションペイン(動いて痛むか)を検査してみると可動域と痛みが劇的に改善されました。
毎日行うべき腰痛肩こりケア体操の動画を見ることをお勧めしました。
そして、毎日継続するべきつかまり立ちでのベンチスクワットと10秒間のストレッチを指導しました。
正座ができないとしても、両ひざに枕をはさんでのストレッチを10秒間行えばいいのです。
筋肉や腱などの軟部組織の回復は3か月です。
骨の回復は2年です。
このケースでは、1か月で手ごたえを感じ、3か月で完治することを説明しました。
私の臨床経験では、階段の上り下りが手すり磨きをしているような患者さんでは毎日200回のベンチスクワットが必要です。
最低でも一日100回以上のベンチスクワットと10秒間のストレッチを継続できれば十分な効果が得られるのです。
低負荷高回数のつかまり立ちでのベンチスクワットを最初は5秒かけて起き上がり、5秒かけて座ることを30回でスタートします。
1週間はあえて低回数に抑えることが大切です。
次の1週間は3秒かけて起き上がり3秒かけて座ります。
つまり5分間で50回になるのです。
十分に余裕ができて初めて、朝晩に行います。
4週間継続すると、生涯継続できるようになる方が大半です。
最初に頑張りすぎてかえってやめてしまっては成功の果実は得られないのです。