3か月以上経過しても改善しない腰痛で苦しむ患者さんの90パーセントは、腰の下部分(腰椎5番と腰椎4番、仙椎1番)の関節の痛みを訴えて来院されます。

及川治療院の慢性腰痛に対する有効率は95パーセントです。

その理由は患者さんが痛みを訴える部分の関節だけではなく、必ず全身の関節の弾力を検査して的確に調整するからです。

全身には約206個の骨から構成される、約200個の関節が存在します。

正常な関節には、8方向に1ミリずれて復元する免震構造システムのような機能があります。

それは巨大地震の衝撃を10分の1以下に緩衝する免震構造システムに勝るとも劣らない優れた機能なのです。

免震構造システムと耐震構造システムの違いは次のように要約されます。

つまり前者は構造体を支える部分がずれることで衝撃を内部に伝えない機能です。

それに対し後者は構造体はがっちりして倒壊しにくいものの衝撃は内部に伝達してしまうという欠点があるのです。

実例で具体的にご説明します。

東日本大震災で同じ高さの高層マンションの18階に住んでいた患者さん(東京都)にお聞きしたお話です。

ちなみにお二人が住んでいた東京都は震度5強でした。

免震構造マンションの患者さんはコップ一つ割れなかったのに対し、耐震構造マンションにお住いの患者さんは食器や家具などが壊れてしまったそうです。

ちなみに免震構造で被害がなかった患者さんも、マンションに隣接した駐車場が免震構造ではなかったため車が出せなくなったそうです。

千年に一度の経験でしたので、誰もが改めて地盤がしっかりした土地に住むべきであることを考えさせられました。

このように人体の関節には前後と横だけではなく、上下にもずれる機能がある事はほとんどの方はご存知ないのです。

背骨の関節を覆う膜は次の6種類に大別されます。

1、皮膚および皮下組織。

2、筋膜。

3、筋肉や腱。

4、神経、血管。

5、椎間板。

6、靱帯。

この中には皮膚や筋肉などのように伸びたり縮んだりする組織と、靭帯や腱のようにほとんど伸びない膜があることがわかります。

この組織を総称して関節被膜と呼びます。

膜が柔らかいか否かは動きを見れば一目瞭然です。

例えば器械体操の選手にテニスをさせてみるとします。

柔軟性や筋力が超人的であっても、テニスの経験がなければ動きは硬いのです。

反対にクラブ活動などで経験がある方は素人と比較すると動きが柔らかいことはわかります。

一流のテニスプレーヤーであれば体操選手のように柔軟性があると考えられがちですが、実は大半がそうではありません。

身体がや若くても動きが硬ければ怪我をしてしまうのです。

反対に身体が硬くても限界を超えて曲がらなければ怪我はしないのです。

結論を言うと可動域のバランスが取れているか否かということになるのです。

改めて腰痛のメカニズムについて解説してみます。

腰椎の前屈、後屈はそれぞれ45度です。

その動きに対応する股関節の屈曲、伸展はそれぞれ120度、15度です。

したがって骨盤(仙腸関節、腰仙関節、恥骨結合)の動きを加えると、前後開脚の合計が150度以上あることが望ましいのです。

腰椎の測屈は左右それぞれに20度です。

股関節の外転は45度、内転は30度です。したがって横開脚も10パーセント増しの100度以上できることが理想なのです。

下半身の運動の可動域が平均以下ですと、その動きを腰椎が代償してしまい、結果として関節に変形が起きてしまうのです。

それは寝ている間に無意識の状態で歯ぎしりをしている方が、歯医者さんで歯がひどくすり減っているの指摘されるようなものです。

まったく自覚症状がないのに人間ドックで関節の変形を指摘される方も多いのです。

国際統計によれば、レントゲン検査で変形性関節炎が確認されるのは45歳未満ではわずか2パーセントです。

しかしながら45歳以上になるとなんと15倍の30パーセントになるのです。

そして65歳以上では63パーセントになり80歳までに大多数の83パーセントに関節の変形が見られるのです。

また女性は男性の3倍であることから、閉経後に関節ホルモンの異常で関節に変形が起こることが考えられています。

このようなことから、やがて誰でも変形性関節炎になると考え、重症化を予防することがベストと考えましょう。

そのためには症状が出ている関節だけではなく、全身の関節の可動域を検査し、可動域を買い依然することが何よりも大切なのです。

これは、腰痛、背中の痛み、首の痛みだけではなく、肩、ひじ、手首、股、ひざ、足関節などすべての関節の痛みの重症化を防ぐうえで最重要な考えなのです。